群馬県太田駅の北側に位置する閑静な住宅街に建つ木造平屋建ての専用住宅「one day」は、家族4人の暮らしを豊かにすることを目指して設計されたプロジェクトである。設計のコンセプトは、日常の中にある特別な瞬間を大切にすること。家族が共に過ごす時間や、自然とのつながりを感じられる空間を創出するため、開放的な間取りと自然素材の使用が特徴となっている。住宅街という立地に配慮し、プライバシーを守るため、外観や窓の配置にも工夫が施されている。広い矩形の敷地を活かし、建物はゆったりとした配置計画とし、無駄な余白が生まれないよう計画。外観は低く抑えた切妻屋根を採用することで、水平的な広がりを強調しながら、周囲の環境に穏やかに溶け込む姿となっている。内部空間は、無垢材などの自然素材を用いることで、温かみと落ち着きのある雰囲気を演出。LDKには吹き抜けを設け、圧迫感を感じさせない開放的な空間を実現している。さらに、こぢんまりとした籠もり感を楽しめる“NOOKなダイニング”が、空間にリズムと心地よさを添えている。家具やキッチンは造作により一体感を持たせ、住まいの中で統一感を生み出している。また、収納や動線計画にも工夫が施され、家族4人が快適に過ごせるよう配慮されている。住まいの中で個々のプライバシーが守られるよう、共用スペースとプライベート空間がしっかりと分けられた設計も特徴。自然との調和を意識した植栽計画も取り入れられ、四季折々の変化を楽しめる住まいとなっている。住まい手のライフスタイルや価値観を反映し、家族4人が共に過ごしながら日常の中で豊かさを感じられる空間を提供している。「one day」は、シンプルながらも深い魅力を持つ住まいである。